登城のススメ

日本のお城とその歴史についてつらつらと。

【引田城】海も山も城下街も楽しめる欲張りコース【香川の続100名城】

はじめに

引田城は香川県東かがわ市にある続日本100名城に選定されているお城。

引田港の北側を囲うように突き出した標高82mの城山に築かれた山城です。

 

海のすぐ横に設けられた山城という事で、本丸のある山頂からは引田港などの海の景色を間近に一望できるらしい。

 

どんなお城なのか、期待を胸にさっそく登城開始です。

 

 

登城前に

引田城は戦国時代末期から江戸時代初期にかけて存在したお城だそうです。

特に長宗我部元親の讃岐侵攻で、羽柴秀吉仙石秀久ら家臣を派遣戦いに発展した引田合戦が有名でしょうか。

 

仙石勢は長宗我部勢に敗れる事になりますが、結果的に長宗我部元親は秀吉に臣従。

その後は、高松城丸亀城でおなじみの生駒親正が入ります。

現在見られる引田城は、この頃から江戸時代初期の間に造られたと考えられるそうです。

 

これから出会う遺構はどんなものなのか、期待が膨らみます。

 

アクセス/城跡まで

JR高徳線「引田駅」から徒歩20分

JR高徳線「引田駅」

最寄り駅はJR引田駅。ここから徒歩で20分ほど。

城跡を目指しながら、まずは引田の並みを楽しみながら歩いていきます。

 

城下町

引田には、城と共に築かれた城下町が往時の様子を今に伝えます。

 

風情ある引田の町並み

 

江戸時代に庄屋を努めたと伝えられる「日下家長屋門

 

100名城スタンプ、御城印の販売がされている讃州井筒屋敷

 

井筒屋敷庭内。おみやげ屋さんや資料館もあります。

 

岡田家(かめびし醤油)

 

引田港と奥に引田城のある城山。
ここは港も城下町の一部です。

 

登城口

ゆっくり城下町を楽しんだらいよいよ登城口へ。

標高は80mほどですが、一応山城。歩きやすい格好で。

 

登城口には案内図

 

沢山止められそうな駐車場もあり。

 

うねうねと登って行く。

 

さっそくドンと海の景色

 

引田城がある山は基本的に岩山のよう。

ここまではあっという間で登りもそれほどきつくなく。

しかし季節によってはハチやヘビも出るとの事です。

 

真夏などは、やや注意が必要でしょうか。

 

石垣

引田城と言えば石垣。香川県で初めて石垣が用いられたお城だそう。

 

本丸付近の石垣

まず目に入るのが本丸付近の石垣。

隅部は未完成ながら算木積みの様相です。

 

大きな石を使った隅部

 

次は城内で最大の石垣が見られる北二の丸

 

北二の丸下段の石垣

 

北二の丸には二段に石垣が積まれていて、下段の方は高さ約6mを誇るようです。

この付近は当時の大手道が通っていたそうで、石垣で立派に固められていますね。

 

北二の丸上段の石垣は崩落防止のシートが。

上段の石垣は見れませんでした(令和5年5月現在)

しかし、いつかは二段に積まれた壮大な石垣の姿を見てみたいです。

 

苔むした野面積み

 

引田城に残る石垣は織豊時代の特徴をよく捉えられており、特に戦国時代の香川県を考える上で貴重な遺構ですね。

 

多少山歩きをしてでも見る価値ありです。

 

本丸からの引田の町並み

最後に引田城ならではの風景を楽しみます。

 

天守台跡付近から引田湾と引田港

海の見えるお城は他にもありますが、ここは激近。

眺めは最高です。

 

播磨灘方面
ここを通って沖へ出られそう。

 

本丸から見る引田の町並み

 

この本丸は引田の城下からよく見える場所にあるようで、城主の権力を誇示するのに適した場所だったそうです。

本丸からは城下を見下ろし、そして城下からは見上げられる存在。

 

現在もその関係性は変わっていないようです。

山頂からは海を眺め、城下を眺め、そして風情ある町並みを楽しみながら、かつて山上に存在した引田城を見つめる。

 

この光景をしっかりと目に焼き付け、大満足の帰路に発ちました。

 

最後に/引田城とは

海も山も城下街も楽しむ事ができる引田城と引田の町。

まるで何でも叶えてくれる高級リゾートホテルのよう。

お城も、歴史も、絶景も、全部を楽しみたい。

そんな少し欲張りな旅行者に、引田城はうってつけのお城ではないでしょうか。