登城のススメ

日本のお城とその歴史についてつらつらと。

【岩櫃城】アクセス困難でも見どころ沢山【続100名城】

はじめに

吾妻川の北岸に聳えるひたすらにシンボリックな岩櫃山

岩櫃城はその中腹に築かれた山城です。

 

山頂部に城の主郭を置く一般的な山城に比べて一風変わった形ですね。

 

始まりは南北朝時代、吾妻太郎行盛の名が登場するようです。

 

現在の岩櫃城に関しては、この地域に根を張る豪族「斎藤氏」、またはそれを攻略するための拠点として「武田氏」が取り立てたとも言われていますが、詳しい事は不明らしいです。

 

ところで岩櫃城と言えば、険しい奇岩を携える姿といい、群馬長野県境の厳しい気候といい、山城好き、特に西日本の人間にとっては憧れの存在であります。

 

かねてからの念願であった岩櫃城への登城。

どんなお城なのか非常に楽しみです。

 

お城へ

JR吾妻線群馬原町駅

今回は駅から徒歩で向かいます。

最寄り駅はJR群馬原町駅

ここから徒歩で40分程で登城口との事。

 

登城口には広い駐車場があるので、基本的には自動車推奨とのこと。

まあのんびり歩いて行きます。

 

駅前には一合目の看板。まだまだ先は長し。

 

 

しばらく国道145沿いの街中を歩いて二合目に到着。

ここから車道を登って行きます。

 

舗装された道、広さもそこそこ。やはり車がおすすめか。

 

もうすぐ着きます感を出してくるが、なかなか着きません。

 

もうしばらく車道を登って

ようやく登山口に到着

登山口近くには100名城スタンプや御城印の販売も行っている資料館があります。

登城前に見学しておくのがおススメ。

 

竪堀を多用した縄張り

岩櫃城の主郭部は東西140m、南北35mと横長な形をしています。

主郭から南面、東面に竪堀が豪快に続いています。

 

主郭部へ向け登って行きます

 

遺構を求めて森の中を進む

しばらく進むと右手に竪堀らしきものが。

マップを確認すると主郭部から東面に続く竪堀のようです。

主郭から東側に伸びる竪堀

竪堀を右手にしばらく登ると開けた空間に。

ここは「中城」という曲輪のようです。

先ほどの竪堀はこの右側を走っているようです。

主郭部東側の広い空間「中城」

この中城という曲輪は奥にむかって傾斜がありますね。

静岡県山中城の北条丸のような感じでしょうか。

結構傾斜がきつい中城

さて、中城を横目に歩いて行くとまたしても竪堀が。

今度はこの竪堀の中を登って行くようです。

竪堀を歩いて行く。
先ほどの竪堀とこの竪堀で「中城」を挟むように掘られているようです。

 

いよいよ主郭となる本丸が近づいてくる。

 

右上が本丸、→切岸→横堀→土塁でしょうか。

 

本丸の東には三角形の小さな曲輪。案内板を見ると二の丸のよう。

 

本丸と二の丸との間には堀切。
中城方面からの道を遮断するような役割か

 

岩櫃城本丸跡

ようやく本丸跡に到着です。
群馬原町駅から1時間半ほど歩きました。

 

しかし登山口からはそこまでキツくなかった印象。

遺構を見ながら楽しく歩けましたよ。

 

岩櫃城信玄餅

 

本丸北側には土塁。



本丸南側には竪堀。

先ほどの本丸と二の丸間の堀切が、この竪堀に続いて行ってるようです。

 

落ちていく竪堀

 

本丸の東側は一段高くなっていて、物見とされる櫓があったと考えられている。

 

岩櫃山五合目

岩櫃山の五合目まできました。

ここから山頂まで行けるようですが、城域からは外れますし、装備にも不安があるので今回はここまでにしておきます。

 

岩櫃城は、やはり岩櫃山の中腹にあるというのがポイント。

あの険しい岩櫃山の写真から相当な登山を予想していましたが、実際には頂上まで行きませんのでそこまで登りもキツくないという事でしょう。

それでいてたっぷり遺構が楽しめるとても素敵なお城でした。

 

真田氏の居城として

武田信玄が上野へ領土を広げる中で、岩櫃城には武田二十四将真田幸隆が置かれることに。

越後の上杉謙信が関東方面へ進出して来た際には、いち早く情報を本国甲斐に伝えられるようになっていたそうです。

 

真田幸隆長篠の戦いで戦死後は真田昌幸が入城。

 

天正十年、武田氏が滅亡の際には、武田勝頼を岩櫃に迎え入れようとしていたお話は、とても有名でしょうか。

 

最終的には江戸時代初期まで機能していた岩櫃城も、1615年の一国一城令で廃城となりました。

 

しかし、その後も岩櫃山は吾妻地方のシンボルとして信仰されてきましたし、城跡には沢山のお城好きの方々で賑わっているようです。

 

まさに山城の中の山城。

忘れられないお城あるきになりました。