はじめに
埼玉県寄居町に位置する平山城で、北側を流れる荒川を天然の堀として利用した北武蔵の堅城と謳われるお城です。
山内上杉家の家宰「長尾景春」によって築城されたと考えられており、景春が主家である上杉家に反旗を翻す場面(長尾景春の乱)の直前で歴史の中に登場するようです。
上杉氏が没落した後、この地方を支配した北条氏の北条氏邦が入り、城の大改修に取り掛かったと伝わります。
関東管領の上杉氏、その後の関東の覇者北条氏。
この両者が深くかか関わっているとは、いち早く乱世となった関東に於いて重要度の高いお城と言えそうですね。
お城へ
ここから徒歩で20分ほど。
途中で荒川を渡りますが、対岸に鉢形城を確認できました。
城内はよく整備されていて、とても歩きやすくなっています
遺構も分かりやすく、歩いていてとても楽しいお城です。
土づくりのお城を手軽に楽しみたいのであれば、鉢形城はその候補の筆頭になるかもしれませんね。
現在見られる土塁や堀などの遺構は、北条氏邦による改修だと考えられているようです。
北条氏の北武蔵、上野へかけての拠点として鉢形城は重要な役割を担った考えられます。
その後1590年の豊臣秀吉による小田原攻めの際には北条氏邦が籠城。
北陸より小田原を目指す上杉景勝軍や前田利家軍に包囲されますが、氏邦はこの籠城戦を一か月間戦ったと言われています。
もちろん最後は降伏、開城となるわけですが、山中城や八王子城など豊臣軍に攻められた城は一日や半日で落城している所も多いので、それらと比べると一か月の籠城戦が行われたというのは純粋にすごいと思います。
それは北条氏邦という男の執念か、鉢形城の要害堅固ぶりか、はたまたその両方か。
いずれにせよ、北武蔵の堅城と謳われる鉢形城。
じっくりと、歴史の息吹を感じながら歩いてみたいお城です。